第20回

肩口ねこ背で起こる症状=風邪・咳き込み・ぜんそく=

 

 

 

カイロ博士プロフィール

甲木寿人(かつき・ひさし)
早稲田大学卒業。2002年3月まで、早稲田大学体育局講師(非常勤)として「姿勢と健康」の講義を受け持ち、現在公開講座「生涯学習」を担当。
日本カイロプラクティックフォーラム会長を務める。

寒くなると、背中が丸くなりませんか?
私どものところにこられるねこ背のひとは、たいていひと冬に3〜4回風邪をひいています。
ねこ背の人は、暑さ・寒さに対して、皮膚感覚が過敏になるのです。
このような人には、深呼吸と胸はり体操をおすすめしています。

空咳・咳き込みぜんそく
のどに痰がからんだ咳や、痰をきるための咳は、風邪でなくても誰にでもよくあることです。
ところが、空咳の症状が、3ヶ月から半年も続く人がいます。
夜、ふとんに入って温まると、さらに激しくなるのです。
咳きが止まらなくなると、本人だけでなく家族の人もうるさくて眠れなくなる、といった困ったことになります。
病院でもらうクスリも効かず、なかには、咳のために入退院を繰り返す人もいます。
咳は吐く息です。あまり激しい咳が続くと、吸う息が間に合わなくて、ぜんそくと同じヒューヒューという喘鳴が起こるのです。
私はこれを「咳き込みぜんそく」といっています。
肩口ねこ背のために、動きが固くなった背骨をゆるめる治療を施し、胸はり体操に励んでもらうと、連続3〜4日できれいに治ります。

ぜんそく
ぜんそくは、アレルギー体質の人がかかる最も苦しい病気です。
発作が起きると、本人は苦しみ周りの人もいたたまれない気持ちになります。
幸い発作止めのクスリはありますが、クスリは病気そのものを治すわけではありません。
気管支を冒されるのがぜんそくですが、発作の最中にいい姿勢などしていられません。
そして、ねこ背はさらに、ひどいねこ背になっていきます。
ぜんそくの発作は、季節的なものもありますが、いろいろなストレスがきっかけになることも多いのです。
小学生までのぜんそくなら比較的治しやすいのです。
肩口ねこ背を治して、風邪をひきにくい体質にすることも必要です。

次回は、息切れ・どうき、狭心症(心筋梗塞)です。お楽しみに!

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