第7回

正しい姿勢

 

 

 

カイロ博士プロフィール

甲木寿人(かつき・ひさし)
早稲田大学卒業。2002年3月まで、早稲田大学体育局講師(非常勤)として「姿勢と健康」の講義を受け持ち、現在公開講座「生涯学習」を担当。
日本カイロプラクティックフォーラム会長を務める。

私たちが「姿勢がよい」とか「姿勢が悪い」と言う場合は、真横から見た姿勢と、正面(または真後ろ)から見た姿勢があります。「よい姿勢」というとき、すぐに頭に思い浮かぶのは、あごを引いて背筋が真っ直ぐになった姿勢ではないでしょうか。私は、「よい」とか「正しい」姿勢ではなく、「自分の身長通りの姿勢を基本姿勢」といっています。わかりやすく言えば「自分の身長通りの姿勢」を1ミリも縮めない姿勢といえるでしょう。

ちょっとむずかしい言い方になりますが、横から見た基本姿勢は、次のように定義できます。「耳を通る重心線は、体幹(たいかん)、脚部を離れることなく、踵(かかと)に下りる。」一方、正面から見た基本姿勢は、「両肩を結ぶ線は床に平行。鼻とへそを結ぶ線は床に垂直である」と定義できます。

人間は重さ約5〜6キロもある頭を、いつも体の頂上に載せて生活しています。私たちの日常行動は、すべて重力に逆らって行われているのです。実は身長通りの基本姿勢とは、この重い頭を上に載せて重力に抗して生活している人間にとってもっとも無理のない自然な姿勢なのです。自分の身長通りの姿勢とは、この背骨を正しく守り、末梢神経が円満に働くためのとても大切な基本姿勢なのです。

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